自衛隊のお兄ちゃんたちが見つけてくれたよ

その他のこと
東日本大震災

辺りは酷い有り様だった…

鳥居の様に積み重なった車、

田んぼに浮く漁船、

一階部分は瓦礫で隙間無く埋め尽くされ、

道路さえまともに走れない…

明るくなると周りは更に悲惨な状態だった…

少し現実離れした光景に、

夢の中に迷い混んだのか?

と思われる程だった

夜現地入りしたが…

そのまま寝ずに準備に明け其処に立った…

人影は無く、

電線は切れてバチバチ火花を出し、

プロパンガスも開栓されたまま転がっている

余震や津波の二次災害に内心恐怖を感じたのを覚えてる

生存者救助は…

絶望的だと思われた…

数日がたち、

其でも僅かな望みを願いながら腰まで水に浸かり、

泥の中を探っていた…

其処に1人の女性が現れ

『すみません、息子が!あちらに居るんです助けて貰えませんか?』

と声をかけてきた。

流され必死で金網にしがみついたが…

力尽き息子の手を離してしまったと泣きながら頼んできた…

総勢20名程で重なる瓦礫をよけ、

泥を掘り返し休まずさがすと…

泥にまみれた衣服の端が見えた。

急ぎ掘り返すと小学校低学年位の子が見つかった…

母親は静かに傍らにしゃがみ、

息子に声をかけた

『良かったね、自衛隊のお兄ちゃんたちが見つけてくれたよ、良かったね…』

『本当に有り難うございます』

ーーーーーーーーーーーーーーー

何度も頭を下げられたが…

水で綺麗にしてあげて布で包み仮設安置所行きの車に乗り込む…

皆手を合わせ泣いていた…

多くの人々のご冥福を心より念願し、

少しでも早く復興しますことを御祈りしております。

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