パパ、3年間もひとりにしてごめんね

父親のこと
父を肺がんで亡くしました。

海外に単身赴任している3年間のうちに病魔に蝕まれたらしいです。

帰国したときにはもう末期で、手の施しようがありませんでした。

気丈で、一度も痛いとも辛いとも言わず、たった2ヶ月の闘病生活で

逝ってしまった父。

1ヶ月後、元の職場から船便で父の私物が送られてきました。

私には読めない外国語の書類、懐かしい父の匂いのする衣類などなど。

母と思い出話をしながら、それでもまだ懐かしさの方が勝って、

涙は出ませんでした。

いろいろ開けているうちにひとつの段ボールに目が留まり、中をあけてみました。

出てきたのは箱いっぱいの漢方薬。

ありとあらゆる種類の胃の薬。

痛み止め。

医学書。

父は胃がんではありませんでした。

肺がんが全身に転移していたのです。

それなのに胃が悪いと思いこんで、こんなにたくさん薬を買って、

これも効かない、あれも効かないと次々に試していたのかと思うと

急に涙があふれ、体が震え、絶叫してしまいました。

「こんなに辛かったんなら、何で病院行かなかったの!」

パパ、3年間もひとりにしてごめんね。許してね。

パパの病気に気づいてあげられなくて、死なせてしまって、ごめんね。

遅く産まれた私をあんなに可愛がってくれたのにね。

今度パパが生まれ変わった時もきっと私を娘に選んでね。

本当に本当にありがとう。

パパの娘でよかったよ。

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