父にとって、私は誰よりも何よりも大切な宝モノなんだって気づいた

反抗期の時の話しなんだけど、今でも忘れられない。

幼い頃からずっと片親で育ってきた私は、父親と二人暮らしをしてた。

友達や親戚、誰から見ても、私を大事に宝物の様に可愛がってくれていた。

そして、一生懸命働いてくれていた。

私の願い事は無理してでも、自分を犠牲にしてでも叶えてくれいた。

風邪の時には、仕事さぼってでも側に居てくれてた。

寂しい思いは絶対させなかったと思う。

二人きりだったけど、クリスマスや誕生日も毎年してくれた。

だけど、十代半ば。

渡しに反抗期がやってきて、父の優しさが凄くうざくなってきたんだ。

心配される事とか、口を聞く事さえも、すべてがうっとおしく感じていた。

私は毎日のように夜遅く帰り、父が心配してくれても、私は父に罵声しかあびせなかった。

友達と遊ぶ事が楽しくて、だんだん家にも帰らなくなった。

そんな毎日を繰り返した。

ある夜、久しぶりに家に帰ったら私の分のおかずとか、小さなケーキがおいてあったんだ。

もう誕生日も２～３日すぎてたのに。

毎日ご飯作って、『いつ帰って来るのか分からない私をずっと待っていてくれてたんだ』と思ったら、

急に切なくなって、悲しくなって、申し訳なくなって、涙が溢れてきた。

そして無造作に置かれてた小銭入れがあった。

ボロボロな汚い小銭入。

それは、私が幼稚園の頃に父の日にあげたやつ。

『まだ使ってたんだ…』

父にとって、私は誰よりも何よりも大切な宝モノなんだって気づいた。

その事が胸につきささって、父に優しくしてあげられなかった自分が情けなくなり、また泣いた。

また後から知った事だけど、私が小さい頃に書いた父の日のカードも、肌身離さず持っていた。

その一件以来、私はちゃんと帰るようになった。

そして今、私は結婚もして、もうすぐで子供も産まれます。

私は父がくれたあの愛情を、これから産まれてくる子供にたっぷりそそぎます。

そんな私をこれからも空から見守っててください。

お父さん、こんな私を育ててくれてありがとう。

私はとっても幸せです。

大好きだったよ。