世界にひとりしか居ない、アタシだけの子供だよ

母親のこと
俺は2年程前にうつ病にかかりました。服薬もしたし、会社も休んだ。

でも全然良くならないんだよ。

食事も摂れないし眠れない。苦しくて苦しくて仕方が無かったんだ。

ある夜、「もう無理だ」って思って自殺をしようと決意した。

両親が寝静まってから持ってる限りの眠剤と酒、それと包丁。

眠剤飲んで、酒飲んで、首を切ってしまおうと思ったんだ。

2月の深夜3時頃だったと思う。

家族で過ごしたリビングで最後のタバコで1服して、「さぁ、やるか」と思って。

遺書と預金通帳も用意した。

暗証番号のメモも置いといた。

少ないけれど貯金があるから。

葬儀費用とかはこれでまかなってもらおうと。

その時、母親の勘かなぁ

トイレでも無いのに母親が起きてきたんだよね。

何故か。

俺の居たテーブルの前に座って。置いてある眠剤とかを一瞥して。

何も言わなかったよね

二人して。

それからどれ位経ったかなぁ・・・

母親が自分の着てたハンテンを「寒いだろ」って俺に着せようとするんだよね。

「もう子供じゃないんだから」

って言ったら一言。

「年がいくつになろうと、アンタはアタシの子供だよ。世界にひとりしか居ない、アタシだけの子供だよ・・・」

年甲斐も無く号泣したよ。

絶対うつ病、治そうと思ったよ。

よろしければ、評価をお願いします。

一緒によく読まれる話

あなたにおすすめの話

泣けるランキング

すべて見る

お気に入りランキング

すべて見る

最近登録した話

すべて見る