せめて、ずっとお婆ちゃんの手を握っていたい。

じいちゃん、ばあちゃんのこと
そろそろお婆ちゃんが他界しそうです。

年内中だそうです。

この前、お見舞いに行きました。

いまいち、実感が沸かなかった。

もうすぐお別れなんて考えられなかった。



弱々しく、病院のベッドで寝ているおばあちゃん

私の目の前に、今いるのに、もうすぐお別れなんて分からなかった。

喋るのも辛そうなおばあちゃんは、小さな目で私をじっと見ていた。

心無しか、目が潤んでるように見えた。

手を握ってみた。

もの凄くガリガリでしわしわ。

握っても、握り返すことは出来ないらしい。

でも、妙に暖かかった。

お婆ちゃんの体温を感じて私も目が潤んだ。

その時、初めて実感できた。

この暖かい手に触れる事が出来なくなる悲しみ。

もう笑顔も見られない。

死なないで欲しい。

ずっと生きててほしい。

帰ろうとすると、入れ歯がない口でゆっくりと「いやだ」と言っていた。

「これが最後になるかもしれないのに」

とも。

おばあちゃんは、手を離さないようにしていた。

でも、弱々しすぎてすぐに振りほどける。

出来ることなら、ずっと握っててあげたかった。

夜中、病院で1人死を待つおばあちゃんの傍にいてあげたかった。

涙をこらえて、「またね」と言った。

今回が多分、私にとって初めて人の死を悲しむ瞬間になるだろう。

夜の電話には怯え続けてる。

ずっと一緒に居て欲しかった。

せめて、ずっとお婆ちゃんの手を握っていたい。

そう思う。

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