いじめられていた俺は、マッチョ達に救われた

自分のこと
去年の11月ぐらい、俺はクラスのDQNグループにイジメられていたんだ。

なんでも、9月文化祭の時に女子と俺が仲良くなったのが気に食わなかったらしい。

そいつらは全員で6人。

一人目は、185cm位のサッカー部で、一言で自分がなんでも一番が奴で一応クラスの中心。

二人目は、チビデブでサッカー部。

いつもそいつと、調子にのってる自称筋肉デブのただのデブで、後は軽音部2人組と帰宅部と吹奏楽部。

典型的な量産型で、大二病。



いつも帰る時、田舎だから必ずさびれた駅前を歩いて通るんだけど、

その時にみんなでずっと悪口言われたり、

罰ゲームと言う名の嫌がらせされたり、

写真をTwitterに貼られてたりした。

物おごらされたりしてた。

学校内でも、俺の悪口を聞こえるように言ったりしてきたり、買ったパンを隠されたり、帰りにされるようなことをされていた。

遂に限界になり、そいつらと会わないように部活を辞めて、速く帰るようにしたんだよ。

で、辞めた初日。

沈んだ気分を癒すために、駅前の肉屋で買ったコロッケを、駐車場で食べてたら吐いてしまった。

『なんで俺が、部活辞めなくちゃいけないのか』

『こんな目にあうのか』

などと、考えてたら吐いてた。

そしたら、後ろから誰か声をかけてきた。

俺は『吐いたことを怒られる』と思って、とっさに振り返り謝ろうとしたら、そこには真っ黒に日焼けしたマッチョ1(あとで、ジムのオーナーとわかる)が立っていた。

そのマッチョ1はソフトモヒカンで、身長は本人曰く168cmと言っていたけど、明らかに164,5cmだ。

迷彩のビルダー用タンクトップに、スパッツにトレーニングベルトの出で立ちで、そこに立っていてこう言った。

「君いつも6時にここ通る子か?やっぱイジメられてたん?」

どうやらそこの駐車場は、ボディビルとパワーリフティングと言う重量挙げの用な競技をメインとした小さなジムのものであったようだ。

彼らはいつも、トレーニングがてら外を眺めているとのこと。

で、ある日、偶然ガチムチマッチョ(173cm/92kg)が、俺とイジメてきた奴らが通るのをみたらしい。

その時は、『ふざけているんだ』と思っていたらしく、

『最近のおふざけは、いじめみたいでやだな』

と、スクワットを一緒にしていたトレーニングパートナーであるマッチョ2(166cm/65kg)に話したとのこと。

すると彼は

「あれは多分、イジメだぞ。俺、昔イジメられたからわかる。何日も続いたら絶対そう。」

と言ったようだ。

ちなみにこの二人は、パワーリフティングの選手だ。

そのことは、会員100名を余裕で下回り、みんながおホモ達ではなく(普通の友だち)なので、すぐ話題になり、観察するようになってたらしい。

一週間たったある時に、俺が駐車場で吐いていて、イジメと確信したジムのオーナーでビルダーであるマッチョ1が見かねて出てきてくれたのだ。

話は戻り、マッチョ1は俺をジムの中に連れて行ってくれて、口を洗わせてくれた

そこはもう文化部の俺には異世界で、20人ほどのマッチョが皆己の肉体を鍛えていた。

25kgの重りを腰につけ、懸垂を10回余裕でこなす男。

ベンチプレスで120kgを何回もこなす男。

反動を使い65kgで腕を鍛える男。

そして今度は、スクワットをしていたガチムチとマッチョが話しかけてくれた。

マッチョ2が、昔イジメられてたいたが、体を鍛えて克服したこと。

ガチムチが生活習慣病で死にかけて復活し、今のガチムチになる過程。

そんなことなどを、お互いいじり合いながら話してくれた。

そしたら、ジムにいた男達全員とフロントでプロテインとか売ったりしてるおばちゃんまで、俺を励ましてくれた。

俺はボディビルダーや筋トレする男は、自分のコンプレックスを隠すためだから『苦手だ』『女々しい』と考えていた。

けど、プロテインももらって飲みながら彼らの話を聞くうちに、自分を鍛える男の格好良さに気づいていった。

なんだか、いじめられている自分が情けないし、自分の悪いところを認めたくなくても、認めればいいんだ。

『自分を変えようと努力するのは、コンプレックスの裏返しだ』とか『女々しいこと』ではないじゃないか。

強くなるための努力は、むしろかっこいいじゃないか。

キリトさんやお兄様みたいな奴のせいで、見失ってたものを再び見つけられた気がした。

そして、その時はなんとなくイジメがどうでも良くなってきていた。

そんなことより、強くなりたくなってきたのだ。

そこで、帰り際にジムに入りたいことを伝えようとしたら、向こうから『しばらくの間、お金とかいらないから放課後来ていい』ということになり、皆も賛成してくれた。


次の日から俺は、ここに通うことにした。

次の日も当然イジメられてはいたが、放課後のことを考えると前よりは遥かに楽だった。

そして放課後、念願のジムに行くと、そこにはオーナーのビルダーと受付のおばちゃんとダイエットにきたおばちゃん数人しかいなかった。

オーナーは

「じゃあ始めようか?」

と言うと、ホワイトボードで筋肉が大きくなる仕組みとか鍛え方について色々話してくれた

その間、ものすごく集中していた。

外のおばちゃん達も、

「脳まで筋肉にしちゃだめよw」

とか、面白おかしく突っ込みをいれてくれた。

その後、さっそくトレーニングを始めた。

まずは、ベンチプレスだ。

バーを挙げようとしたら、予想よりも重くて驚いた。

その日は、35kgしか上がらなかった。

けれど、一緒にいたオーナーは2chの筋トレスレみたいに、『ベンチ100kg以下は男じゃない』みたいに馬鹿にしたりしなかった。

トレーニングする内に時間もすぎ、徐々にマッチョが集まり始めた。

初見の人には、事情を説明してくれた。

皆、励ましてくれた。

ジムから帰る時に、おばちゃんたちが『頑張りなさい』と励ましてくれた。

嬉しくて、たまらなかった。

そしてドアを開けようとしたら、昨日のガチムチさんが俺に

「明日から頑張れよ」

とトレーニングベルトをくれた。

それからは筋肉に夢中になっていき、自分に自身が持てて、なぜかイジメもそこまで苦しく感じなくなって来た。

食欲も戻り、女子からも『イジメられる前の明るさが戻ってきた』と言ってくれた。

しかし三週間たったある日、奴らにジムに通ってることが知られてしまった。

体育の授業から帰ると、貰ったベルトにマヨネーズがかけられていたのだ。

それを見た俺は、悲しくて大切な物を穢されたのが悔しく、ジムのみんなに情けなく、そして泣いてしまった。

奴らのところに行き問い詰めたが

DQN1「知らねぇよw」

DQN2,3「www」

DQN5「つうか、ビルダーとかキモ。男らしいとか思ってんの?w」

俺は、ジムの人を何にもしらずに馬鹿にした奴らが許せなくて頭に血が昇りすぎたらしく、ふらついて立っていられなかった。

そして歯を食いしばった拍子に、唇を噛んでしまったらしく血がででいた。

こんなんだから、逆襲できるまでもなく奴らを逃がしてしまった。

ジムによれば汚れたベルトを見られてしまうため、『心配をかけたくない』と考えた俺は今日は帰ろうと考えた。

しかしジムの前を通った時、買い出しで出てきたオーナーとあってしまった。

そして、中に連れていかれて話を泣きながらした。

おばちゃん達やオーナーもキレていた。

そして、いつものように声をかけられたが、『今日は帰る』と伝えようとした。

が、思い出し泣きをしそうになり、悟られてしまった。

すると、いつもより速くきた2人組にもその話をして、ガチムチ親父にベルトのことで謝った。

そしたら、昔イジメられてたマッチョ2が

「調子にのるのもいい加減にさせよう」

と言い出した。

俺は反対したけど、マッチョ達はみんな賛成した。

そして少し遅くまで残り、作戦会議をした。

計画はこうだ。

前と同じく、DQN達と同じ時間に帰る。

そして、敢えて喧嘩をする。

ジムの前に来たところで、オーナーが説教をかますことになった

そして決行の日。


奴らと同じ時間に帰り、敢えて挑発することで喧嘩のようなことをしながら帰った。

手を出しそうになるのを我慢しつつ、ジムの前に遂に到着するとオーナーがいた。


そして彼らに話しかけ始めた。

威圧しすぎることもなく、どこか余裕に感じる風に説教した。

説教を要約するとこうだ。

「弱いのやコンプレックスを隠すために、集団で人を貶めて悦に浸るんじゃない、アホ」

しかし、DQNはDQNで終始ヘラヘラしながら見え見えの見栄をはっていた。

少しでも威圧的に話そうとし、さりげなく俺やオーナーの悪口を言い、俺達のわきを大回りの速足で通り抜けようとした。

その時、オーナーが100均のピストルを出し二回パン、パンと撃った。

すると、途端にジムから湧いてくる20人強のマッチョ達に奴らは囲まれた。

囲まれても、見え透いた見栄をはり、暴言を吐いてた奴らでしまいに喧嘩がどうとこ抜かし始めた。

そしてリーダーであるDQN1が、他のDQNに煽られて走りだした。

しかし、腰の入っていない怯えながらのタックルは、例のガチムチ親父に抑えられ、ショルダープレスで待ち上げられてしまった。

宙に浮くDQNと、振り回しながら何度も上げ下げする親父。

仲間を置いて逃げようとするDQN達を、さらに近くで包囲するマッチョ達。

そして10repsのDQNショルダープレスを済ませた親父は、リーダーを解放した。

そして奴らは俺に誤り、今後俺やどんな他の奴にも何もしないと誓わせ、ようやく解放された。

が、俺は奴らを親父の前に連れて行き、さらにベルトのことを謝らせた。

ただ、学校ではマッチョがいないので少し不安はあった。

けれども、怯える奴らを見て、俺はもう奴らは怖くなくなっていた。

所詮、強くなるためにと自分を変えようとしないから、他人を貶めて自尊心を保つ程度の奴らなんだ。

奴らは、俺の前を速足で通り過ぎ、この事件の噂は流れたので、次第におとなしくなっていった。

さらに奴らにとどめを刺す事態が起きたのは、三日後でなんとオーナーとガチムチ親父が校内に姿を現し、DQNを観察しに来たのだ。

なんと、オーナーは学校のOBだったのだ。

これで俺はイジメから解放され、自分に自信を持つことができたのだ。

その後、正式にジムの会員として通いたくなった俺は、母ちゃんに頼んでジムに入会することになった。

母ちゃんも、アニメしか趣味がなかった俺に趣味ができたことを喜んだ。

俺は、今までにあったことそこで始めて正直に話すと、泣きながらさらに喜んでくれた。

ジムの手続きついでに母と父がお礼に行くと、みんな俺の正式な入会を喜んでくれた。

ジムに通えてることや、体を作る上で欠かせない食事のことに、惜しみなく協力してくれる両親に気づき、ようやく親の大切さや感謝することの大切さに気づけた。

『あの時の出会いがなかったら』

と、考えるとぞっとする。

そして、筋トレを通して知ったダイエットの知識から、女子とはさらに仲良くなり、遂に人生で始めての彼女もできた。

彼女とのこれからも楽しみだし毎日がとても充実している。

本当に、マッチョ達に俺は救われた。

よろしければ、評価をお願いします。

一緒によく読まれる話

あなたにおすすめの話

泣けるランキング

すべて見る

お気に入りランキング

すべて見る

最近登録した話

すべて見る