ママのこと、生まれたときからすきだったの

子どものこと
初めてのあかちゃんに無我夢中だった。

ろくに眠らず、夜鳴きもひどかった娘。

へとへとに疲れはてて、抱っこでゆすりながら

「あんたはママを苦しめたいの?ほんとにひどい子だ」と

悪態をついた日々。

赤ん坊の気持ちなんて、全然わからない。

母親の自信なんて、みじんもない。

ただ、もがくだけの日々。

あれから数年たって、娘は五歳になった。

「あのね、ママ」(もじもじ)

「なぁに」

「あたしね、ママのこと、生まれたときからすきだったの」

あの頃の私が一番聞きたかった言葉。

やっと聞けた。

こっそり台所で泣いた。

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